心理学から MSSM法 交互ぐるぐる描き投影・物語統合法について

◉難民問題に関わってきた犬飼美智子さんのご著書『心の座標軸』の中の言葉。

「難民地の極現の状態の中で発見したことなのですが、生きようという意思が強く燃えでたときの1番確かな印は笑いでした。
微かな微笑であったとしても疲れ果て悲しみ果てたあげくの無表情は一掃されてしまって、そのかわりに生きる切望に満たされたときの人間の力強さが現れでる。
一本の枝であろうともおもちゃにして遊ぶとき遊べるとき、笑いが希望もろともに確かに生まれ出る。

だから安泰な国から立派で愛らしいおもちゃを持って言ってはいけないと私はいつもいうのです。
自分でおもちゃを創造するチャンスを富める国のおもちゃで壊してはいけないから。」

 

◉精神分析学派の小児科医ウイニコット
「遊びこそが普遍的であり、健康に属するものである。すなわち、遊ぶことは成長を促進し、健康を増進する。」

◉オランダの歴史家 ヨハン・ホイジンガーの言葉
遊戯とは
あるはっきり定められた時間、空間の範囲内で行われる自発的な行為、
もしくは活動である。
遊戯の目的は、行為そのものの中にある。
それは、緊張と喜びの感情を伴い、
またこれは、
<日常生活>とは<別のものだ>という意識に裏付けられている。

これら言葉を読んで私は不登校気味の子どもたちのことを思い出しました。
私の絵画教室に入会して、不登校を乗り越え無事に小学校を卒業したお母様と喜びで抱き合った日もあります。
1本の色鉛筆で自分の確かな世界を感じるとき、無表情から微かな微笑を私は逃しません。
私はそこに大いなる希望を感じるのです。

【MSSM法 交互ぐるぐる描き投影・物語統合法】
(Mutual Scribble Story Making Method)

山中康裕先生創案

MSSM法 交互ぐるぐる描き投影・物語統合法は、描画法の中でも、遊びの要素の強い描画法で、優れて治療的な心理療法。
多くのクライアントから好まれる心理療法。

ぐるぐる描きを心理療法に取り入れたのは、スクリブルと呼んだマーガレット・ナウンバーグ。
元々は美術教師のお姉さんのフローレンス・ケインが、美術の教育のために創案した方法。
絵の勉強に模写をするという技術の習得に重点を置いて創造的過程を抑制するような当時の美術教育に反発して、感情が創造性の源泉であると言って自由な表現を促すものとして始めたもの。これをマーガレット・ナウンバーグは心理療法として用いた。

(1)方法

用意するもの
八つ切り、B4、A4の画用紙
黒サインペン
クレヨン

①画用紙に枠を描く

②クライエントに6〜8つのコマに区切ってもらう。

③ジャンケンをして、勝っても負けてもセラピストが初めにサインペンでぐるぐる描きをする。

④クライエントに、ぐるぐる描きから見えてくるものをクレヨンで絵にしてもらう。

⑤クライエントがサインペンでぐるぐる描きをし、セラピストがクレヨンで絵にする。

⑥最後の1コマ残るまで繰り返す。

⑦投影された全部の絵を使いクライエントに物語を作ってもらい最後の1コマに書く。

(2)MSSM法 交互ぐるぐる描き投影・物語統合法の治癒的要因

遊びは元来治癒的なもの。

①紙の枠の守り
セラピストで空間、時間的に守られ、画用紙にもセラピストにより枠が描かれ、クライアントは守られていることが治療的要因の一つ。

②ぐるぐる描きが、退行を促し、ジャンケンによって遊びとして行われる。
人により見えるものが違うその人の心の内面が自然に引き出される。
意識の力で抑制されているものが、無意識の情報が出やすくなるというスクリブルという仕掛け。

③物語による統合無意識により投影されたものを意識によりつなぎとめる過程。
物語により統合され全ての過程が収められる過程が見られる。
意識と無意識の良い関係づけできているのが特徴。
言葉による統合でクライエントとセラピストの共感的理解になる。
過程を繰り返していくことは、自分の問題そのものにはクライエントは言わないが、それを継続していくことで、クライエントの自我の成長していくという働きがある。

ユング
新しい自我の途中の一時的な不適合という目的論的に捉えた。

自我の統制を緩めて、無意識内にある自己治癒力を高めて新しい自我の成長を支える仕組みというものを持っているので、このMMS法は優れた治癒力を持っていると言える。

(3)MSSM法の発展と適応

①発展

色彩誘発MSSM法へ

方法でクライアントと心の遊びができるかにかかっている

1枚で統合するとともに、お話で理屈っぽくと、ロールシャッハテストのようにひとにより色々なものに見える線で喚起してそれを意識の意図でつなぎとめる
主人公は絵の中で自分ではないことがいい。
回数を重ねるとわかりやすくなる。
自分に戻っていく。
緑であったとしても薔薇に見える魔法の世界へ。
自由自在。
子どもたちは自由に入る。

②適応の範囲

不適応な人はほとんんどいない。
エネルギーレベルによりコマ数を減らす、色彩誘発にしない、コラージュなど変えられるのが可能。

③箱庭療法とのつながり

枠も箱庭療法から。
イメージの世界で遊ぶこと。
砂とスクリブルの線が退行を促すところにている。

(心理臨床とイメージより)

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村上画子

★ウイリアムグラッサー国際協会国際会員 ★日本選択理論心理学会正会員 ★認定NPO法人日本リアリティセラピー協会会員  ★一般社団法人日本心理療法協会認定3色パステルアートインストラクター  ★イオンカルチャー子ども探求絵画教室 ★イオンカルチャー幸せ3色パステルアートセラピー ★ペアーレ埼玉子ども知育お絵描き教室 ★ペアーレ埼玉小・中学生の探求絵画造形教室 ★ワクワクハッピーママ・パパサポートセンター主宰 【芸術活動と、ワクワクハッピーママ・パパサポートのカウンセリング、コーチングを通して、「誰もがワクワクハッピー&爽やかな世界」をめざして活動しています。】 詳しいプロフィールはこちらからどうぞ♡